「ティール組織に変革するための儀式(Rituals for the transition)」要約
ティール組織に変革するための儀式
徐々に時間をかけてセルフマネジメントに移行する組織もあるかもしれませんが、ほとんどの組織では何度か大きな変曲点があり、この変曲点のタイミングでがらりと形態を変えます。リーダーが重要な役割を退いたり、トップチームが解体していったりなどです。私はこの鍵となる変化の瞬間を「儀式」と呼んでいます。そしてこの儀式の間には変革にとても有益なことをいくつか考えられると思うのです。
まずは、過去のやり方でなにが一番良いことだったのか、そしてそれが上記の変化の瞬間に変わらず維持されていることに誇りをもつのです。次に、ヒエラルキー組織形態のもと経営者として何年も働きかけてきたリーダーとその下で支えてきた人たちに感謝の気持ちを持ちましょう。そしてリーダーのポジションではなくとも現場で働いていた人たちにも感謝を忘れないようにします。また、この儀式の瞬間とは今後の希望を探し、また表現する場でもあると思うのです。その未来を組織の目的とリンクさせ、なんのためにセルフマネジメントを実行しているのかを今一度考えましょう。そして思い描く組織の新しい姿と今までの姿に思いをはせるのです。あとは、組織の取締役に感謝の気持ちを表します。他の人の目にはリスキーに映ってしまうことでも組織にゴーサインを出してくれた彼らに尊敬の念を持ちます。最後に、互いに助け合い最善を尽くしてきた自分たちの決意を表現しましょう。
この儀式とはとても奥深い瞬間であり、この儀式を未だかつてやっている組織をみたことがないのは、もちろんこれをやっている組織もあるはずですが、私には興味深いことなのです。人間は昔から儀式というものを繰り返してきました。私はこの儀式の力を再認識するときがきたと思うのです。この世に人間が計り知れないものはたくさんあります。しかし、儀式は人間が持つ奥深い習慣であり、 1つの章を閉じ私たちの心と新しい章への扉を開けてくれる、そのようなものだとおもうのです。
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