「組織変容のアクションを目に見える形にする」動画(3.9-3.10)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「3.9 任命するのではなく、志望者を募る(Invite volunteers, stop appointing)」要約

任命するのではなく、志望者を募る

任命した人を集め、チームに参入させる方法が主流ですが、私が唱えるやり方はその逆です。人を任命するのではなく、志望者を募る方法です。会計処理の方法やパフォーマンス管理の変更を行う際に、全員にその旨を伝え、その中で賛同してくれる人を集めるのです。社内プロジェクトに限らず、クライアントを交えたプロジェクトやマーケットリサーチにも応用できます。「神」のごとく人材を選りすぐる方法から立候補制度に変更するは大変ですが、その利益は計り知れません。選び抜く労力も必要なくなり、より意欲のある人間を集めることができるからです。そして多種多様な人間がいることで、アイデアも盛んに生まれ、意思決定も効率的になります。また、同調意識が働き同意も得られやすくなるのです。このほかにも、ボランティアベースのチームの場合、権力を握ることで自発的に組織立って動くようになります。

これを試してみても損はないように見えますが、中には失敗例もあります。三つの理由をお話します。一つ目は、チーム全体が組織立って動く方法を知らなかったからです。これを防ぐには、外部のファシリテーターが参加し、適切な質問を投げかけながら、チームが完全に組織立つまでチームの歯車として動く必要があります。二つ目は、権力の使い方が未熟だったからです。あまりにも突拍子もない提案をするチームもいれば、権力を持て余してしまうチームもいました。三つ目は、頭の中に十分な知識やアイデアを持っていても、チーム全体と共有しようとしなかったからです。二つ目と三つ目の問題を持つチームは、アドバイスプロセスを上手に活用すると良いでしょう。会議室に何週間も籠った後に出来上がったアイデアを組織のトップの人間に披露する従来の方法ではなく、アイデアが出るたびに同僚と共有しアドバイスをもらう方法にシフトしましょう。

四つ目の理由は、その他の理由とは別格です。意欲のある人を募っても誰もチームに加わらなかったから失敗したというのです。ただ単にあなたが重要だと思っていたことでも社内全体では違った、または意図がうまく伝わっていなかったという理由で失敗したかもしれませんが、それでも実情を知り、時間を無駄にしなかったという意味では、それは有用な情報だといえるはずです。

「3.10 最初のアクションを目に見えるようにする( Visible first actions )」要約

最初のアクションを目に見えるようにする

組織全体にインパクトを残すような大きなアクションをまず起こすべきなのか、小さなステップを踏むべきなのかという質問をよく聞かれます。財務の透明性を上げ、社員全員の財務管理能力を高めるような大きなアクションをとることも可能ですが、組織はそれを行うほどの信頼をまだ勝ち得ていないはずです。大きな変化を起こす前に、少しずつ組織に柔軟性を持たせるような小さなステップを踏んでいくほうが賢明です。

小石が靴の中に入っている状態で歩き続けると少しずつ痛みがでるように、誰もが仕事への不満を募らせています。ベルギーの国土交通省では、社員のこうした不平不満を一週間以内に解決すると組織のトップが約束したのです。すると、すさまじいほどのエネルギーが生まれ、それによって今まで問題となっていたことが解決され始めました。彼らはこのほかにも、誰でも機密性の高い会議を除くすべての会議に参加できるようにしました。経営委員会も含まれています。ただ、参加する価値のないと判断した会議には顔を出さないように推奨されています。

社内を階層毎に分けるようなポリシーや権力を持つ上層部の人間を作らないようにする方法はもちろんあります。セルフマネジメントに詳しいオランダの新聞記者兼ジャーナリストBen Cohen氏によると、夕方に社員全員で社内方針を精査する時間を作った企業もあるそうです。これを行うことで、ある種の自由が生まれるようになります。新しいリーダーやマネージャーを推薦する際には、ピラミッドの上層部の人間ではなく下層部に位置する人間に指名させるように変えた企業もありました。これらの動きが組織の悪しき習慣を改めることに繋がるのです。ボーナス制度を廃止し、同僚がボーナスを誰に渡すかを決める方法を採用するのも、大きな変化を生む一助となっています。最後になりますが、早期のアクションはできるだけ視覚的に訴える形で行うように意識してみてください。これが変化を生むのに効果的なのです。

 

 

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