「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏によるティール組織とインテグラル理論に動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。
「When pent up conflict breaks out(蓄積された争いが爆発した時)」要約
多くの組織がこの変容の旅でぶつかるであろう問題についてお話しします。
初めは少し驚くことかもしれませんが、実際にはあまり驚くべきことではないのです。
組織が自律型になることで、人はそれまで感じていた恐怖や服従への圧力を感じることがなくなり、より自由に自分を表現するようになります。
すると、突然組織の中に争いや怒りの波がやってきます。
そして変容によって何が美しいものが出来上がると期待していたリーダー達はとても驚いてしまい、時に組織の変容を後戻りさせてしまうことがあるのです。
しかしこの場合の対応の仕方は、抑制するのではなく受け入れることなのです。
一般的にリーダーがこの問題に対して、2つの衝動にかられます。
1つは、やり過ごして前に進もうとすることです。
もう一つは、すぐに解決しようとすることです。
私たちは問題が起きたらすぐに解決することに慣れすぎています。
しかしすぐに解決しようとすると、人々が怒りや争いを起こしているのはただ聞いて欲しいだけだからである、というか本質を見逃してしまいます。
人々のこういった行動は、ある意味テスト、試練なのです。
つまり組織が本当に変わったのかどうか、本当に今まで言えなかったことを言ってもいい組織になったのかどうかを人々は試しているのです。
そのため、この時はとにかく聞いてください。
聞く時のポイントは、文句や不平の裏にある真のニーズを探ろうとすることです。
どんなニーズが満たされていないのか、何が彼らにとって合理的でないのかを聞いてください。
もしかしたらある人は、自分に影響を与える意思決定について十分関われていないことに対して文句を言っているかもしれません。
はたまたある人は、チームとして一緒に働く人が好きではないから自分で一緒に働く人を選びたいのかもしれません。これも非常に合理的です。
そして聞いてもらうことには大きな力があるのです。
人は深いレベルで人に聞いてもらいニーズをわかってもらうと、怒りや争いは急におさまるのです。
そこで初めて問題解決のフェーズに移り、向かいたかった方向へ進んでいけるエネルギーを得られるのです。
意思決定について十分関われていない、情報をもらえていないと訴えていた人には、例えば議事録を組織全体で共有するなどして問題を解決し、はたまたチームメイトを勝手に決められるのが嫌だという声に対しては、ビュートゾルフ(オランダで有名なティール組織)のようにチームメイトを自分で決め、変えられる制度を整えればいいのです。
このようなプロセスによって、組織内の争いや憤りは何か生産的なものに変わっていくことができます。
まずは、人の声を聞き、そこに潜む合理的なニーズを探ることから始めましょう。