ティール組織のオンボーディング

オンボーディングとは、新しいメンバーがチームや組織に適応し、パフォーマンスを発揮できるようにするためのプロセスです。ここではティール組織においてどのようにしてオンボーディングが行われているのかをご紹介していきます。

従来型組織のオンボーディング

レッド組織

レッド組織はボスの力支配で成り立っているため、新メンバーに対しては、ボスの力や支配力が示されます。中核メンバーから新メンバーにボスの力、実績、そして恐ろしさなどが伝えられます。

アンバー組織

アンバー組織では、新メンバーの役割や立場が明確に決まっています。そのためオンボーディングでは、役割で必要とされる要件をいち早く学ぶことに重点が置かれます。新メンバーの個人的なニーズや感情よりも、組織の都合が優先されます。

オレンジ組織

オレンジ組織では、組織としての統率を取り、高い目標に向かうために、より効果的なオンボーディングプロセスがあります。一般には、経営陣が会社の理念や歴史、実績などを語ります。とはいえ、それらは通過儀礼的なものであり、それよりも実務にすぐ取り掛かるための準備に重点が置かれます。チームや組織になじむ、というよりも直属の上司に教育が任されます。

グリーン組織

グリーン組織は新メンバーが企業文化に早くなじめるようにオンボーディングプロセスが工夫されています。チームメンバー全員で歓迎ムードを生み出し、よりオープンな関係性を築く機会(パーティーやイベント等)を提供することがあります。

 

ティール組織のオンボーディング

では次に、ティール組織のオンボーディングプロセスの特徴について見てみましょう。

企業文化のトレーニング

ティール組織は新メンバーを歓迎することに多大な時間を費やしています。に多大な時間とエネルギーを投資しています。特にセルフマネジメントの考え方については時間を割かれることが多いようです。Buurtzorgでは、新メンバーは問題解決の方法やミーティングのやり方についてトレーニングを受けます。そのため、上司がいなくても仕事が出来るのです。モーニングスター社なども同じように、セルフマネジメントに関する研修があります。

前職でマネージャー職にあった人は、セルフマネジメントへの移行に戸惑う人も多いようです(事実、モーニングスター社では2年以内に中途の半数が辞めると想定されています)。

また、当然ながらセルフマネジメントだけではなく、ティール組織の3つの要素のひとつである存在目的についても、学び話し合う機会が設けられています。

グラウンドルール(基本的な社内ルール)について学ぶ

ティール組織によくある間違いは、“ティール組織はフラットな自己管理組織であり、社内ルール等がない”というようなものです。これはが間違いであることは、このブログにあるフレデリックラルー氏の動画のいくつかをご覧いただければわかると思います。

ティール組織には、存在目的や基本的価値観に基づく、組織の“グラウンド(基本的)ルール”が定められていることが多いようです。たとえば、ホラクラシーはティール組織を実現する一つの組織形態ですが、彼らは組織の運営方法や会議の運営方法などを事細かに定めています。

ティール組織はグラウンドルールがあるからこそ、その枠組みの中でメンバーが自己管理的に働くことが出来るのです。

というわけで、ティール組織のオンボーディングプロセスにおいては、これらのグラウンドルールについて理解するためのセッションも行われます。

会議のやり方を学ぶ

ティール組織では、会議のやり方について工夫を凝らしている会社が多いようです。というのも、会議というのは放っておけば声の大きい人、権力のある人だけが発言し、ほとんどの人は仮面を被ってそれに従うだけ、という状態になりがちだからです。ティール組織の3つの要素のうちの一つが全体性(ホールネス)ですが、ティール組織の会議では皆が全体性をもって参加できるように会議のやり方が制定されています。新メンバーはそのような独特の会議のやり方について学びます。

ローテーション

ティール組織の一部ではローテーションプログラムが用意されています。たとえば、ザッポス社では、すべての新入社員は、コールセンターで働く体験をします。これは一般社員だろうが、上級役員だろうが変わりません。コールセンターを体験することによって、ザッポスの競争力の源である顧客サービスについて学ぶと同時に、繁忙期には誰でもコールセンターを手伝えるようになります。

また、FAVI社(フランスの自動車部品メーカー)では、すべての新メンバーが現場で機械を操作するトレーニングをうけます。これもザッポス社の場合と同じメリットがあります。FAVI社の場合、さらに追加のオンボーディングプロセスがあります。

新メンバーは、2か月のトレーニングを終えた後、同僚達にレターを書くように求められるそうです。レターの内容は各人の自由に任されています。多くの場合、FAVI社で働けることに対する感謝と喜びを書いているとのこと。なぜかというと、ほとんどの新メンバーは、他の工場では一般のブルーカラー労働者と同じように機械のような扱いを受けてきたからです。FAVI社では誰もが人間的な扱いを受け、発言権を持てるからです。