「誤解5:エンパワーメントとサーバントリーダーシップ」動画(4.1.9)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「誤解5:エンパワーメントとサーバントリーダーシップ(Misconception 5: Empowerment and servant leadership)」要約

誤解5:エンパワーメントとサーバントリーダーシップ

実は、私はエンパワーメントという言葉は好きではありません。またサーバント(奉仕)リーダーシップという概念も好きではありません。従来のピラミッド型組織から見ればこれらの考えは素晴らしいものですね。エンパワーメントやサーバントリーダーシップがそういった組織に取り入れられるのは良いことだと思います。が、エンパワーメントもサーバントリーダーシップも自主経営の本髄ではありません。

 「セルフマネジメントに切り替えてエンパワーメントやサーバントリーダーシップを実践しています」と言ってくる人がいますが、なんか違うと思わずにはいられません。それはセルフマネジメントではないと思うのです。社員をエンパワー(力や能力を与える)しなければいけない、という考えの裏には、上にある権限を下へ少し託そうとしているわけです。自主経営において、権力や権限は与えるものではなくて、それらは組織の末端にまで行き渡っています。システムそのものがそれで成り立っているのです。

 サーバントリーダーシップについて考えてみましょう。これも従来からすれば素晴らしい概念です。上の者は組織に属する人々のために奉仕すべきだという考えです。でも、セルフマネジメントの観点からすると、非常に父親風を吹かせた考えに思えます。奉仕をする私のような存在が組織には必要であって、力を振りかざすようなリーダーではなく、「奉仕精神に満ちたリーダー」であるべきだ。どうも自分とその他を線引きしている気がして、私には受け付けられません。

 セルフマネジメントでは、「組織の目的」に従事するのであって、組織の人々に奉仕するわけではありません。それぞれに権限があり、アドバイスプロセスなどを通じてアクションを起こせるのですから、誰かが誰かに「仕える」必要はないわけです。もちろん、誰かのためにはなりたいし、誰か具合が悪ければサポートしたいと思いますがね。組織の目的に全員が従事しているということであって、美しいことです。サーバントリーダーシップで言えば、全員が「サーバントリーダー」なわけです。組織の目的に従事(serve)しているのであって、組織の底辺にいる者のために従事しているわけではありません。

 エンパワーメントやサーバントリーダーシップのような言葉を使ってセルフマネジメントを表現しているのであれば、もしかしたらセルフマネジメントを真に実践していないといえるかもしれませんし、意識的なところでまだ本当に切り替えられていない可能性があります。移行プロセスの途上なのですから、混同するのは悪いことではありませんが、セルフマネジメントをエンパワーメントやサーバントリーダーシップと捉えることのないよう注意してください。

 

 

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