「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏によるティール組織とインテグラル理論に動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。
「Communicating in new ways(新しいコミュニケーションの方法)」要約
新しい組織に変わろうとしている時に、つまらない文章の並んだwordやPowerPointの資料といった古いコミュニケーションの仕方をなぜ取ろうとするのですか?
私はそういった資料を見ると思考が停止し、読みたくないと思ってしまいます。
一方、ある組織ではとてもカラフルで完璧で、なんだか本格的で、グラフィックデザイナーが広告のような資料を作っていました。
しかし、それもとても時間と費用がかかります。
では、新しいコミュニケーションはどのように行うのが良いのでしょうか?
どうやって組織を変えるための新しい取り組みをみんなに伝えたらいいのでしょうか?
WordやPPTもいいですが、もっと色んなことを試してみるのもいいでしょう。
例えば、ビデオを作るとか。クオリティの高いものでなく、スマートフォンで会議を簡単に撮るのもいいでしょう。
洗練されてはいませんが、より現実的で、素早くできるので十分だと思います。
もしも文書化された資料が欲しいなら、イラストを入れるのがおすすめです。
淡々とした文章だけよりも、イラストのある方を好む人は過去にも沢山いました。
そしてもし誰かそういったことが得意な人がいたら、手伝ってもらうようにするのが良いでしょう。
もしくは、ロビーに大きなポスターを貼り付けて、人々に色々描いてもらうのもwordやPPTよりずっといいかもしれません。
とにかく、クリエイティブになって、より現実に沿った、本格的で素早いコミュニケーションの方法を考えてみてください。
伝えるフォームの他にも、どんなメッセージにするか、表現するかどうかも大切なポイントです。
一つ考え方を紹介します。
メッセージをみた時に表現の何%が頭から来ていて、何%が心や腹の底から来ているか?
私たちはもちろん100%頭で考えるように訓練されていますが、それではとてもドライで冷たくなってしまいます。
そうではなく、より個人的になって、”We”や”Us”といった言葉を使って感情を表現するようにしましょう。
例えば、誰かが透明性を高めるために全会議の議事録を公開してサーバーにあげることを提案したとしましょう。
それはとても革新的ですよね?
しかし、提案書が冷たく淡々としたものだったら、読んでもワクワクはしません。
では、より自然に書くにはどうしたらいいのでしょうか?
これは私のやり方ですが、「私たちは本来は知っているべきだったことを噂で聞くと不満を感じます。
これをなくすために、全ての議事録を直接サーバーにあげ、誰でも見れるようにしましょう。」
このように提案した場合はよりパーソナルで心に響きます。これは一つの方法ですが、様々な表現の仕方があるということを是非考えてみてください。
上記に挙げた全ての例は一方的なコミュニケーションでした。
そしてそれは従来の組織でのコミュニケーションのやり方でしたが、面白いことに新しい組織へと変容を遂げた組織では、双方向のコミュニケーションがとても増えるのです。
従来のようなリーダーのモットー「いつでも訪ねて来ていい」はもう通用しなくなっていきます。
新しい組織ではアジェンダもなく、自由に好きなことを話せるスペースができています。
そのスペースへのニーズは確実に存在するのです。
小さな組織では、週1で朝食やランチを一緒に食べながら話す時間を設けるのもいいでしょう。
一方ある大きな組織では、ビデオストリーミングを使って誰でも、何でもリーダーに質問できる時間を設けていました。
そしてビュートゾルフ(オランダの有名なティール組織)ではブログを使って、CEOが招待状を送り続け、従業員が反応できる仕組みが出来上がっていました。時にはスレッドが大いに盛り上がって、とても双方向的な会話に発展することもあるそうです。
とにかく、ここで私が言いたいのは、組織のコミュニケーションを一旦見直してみて欲しいということです。
従来型のコミュニケーションは、淡々として冷たく、頭で考えられたもので、一方的なやり方です。
一方、これから向かう新しい組織では、そのやり方は通用しません。
なので、是非とも新しいやり方を考え、実験して、色んな人を巻き込んでやってみてください。
それを始めると、コミュニケーションがよりリアルなものになってくるでしょう。