「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏によるティール組織とインテグラル理論に動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。
「What roles for coaches, consultants, and facilitators?(コーチ、コンサルタント、ファシリテーターのルールとは?)」要約
面白い質問があります。
この素晴らしい変容の旅をコーチやコンサルタントやファシリーテーターがサポートするとしたら、彼らはどのような役割を果たすでしょうか?
これまでこの変容を経験してきたどの組織も大手のコンサルティングファームの力を借りていません。
というのも、大手コンサルティングファームは未だティールでいうオレンジ組織で、機械的に考えて、全てを事前に綿密に計画し、実行しようします。
しかしこの組織変容のやり方にはそういった従来の方法は活用できません。なので、自然にクラシックなコンサルティングファームが関わってくる事がなくなるのです。
では、コンサルタントやファシリテーターはこの組織変容には全く必要ないのか?
というとそれは行き過ぎな考え方です。
そうではなく私が提案するのは、以下の4つの考えです。
1つ目は、彼ら(コンサルやファシリテーター)はあなたを助ける役割を担える、という考えです。
フランス語に、”accompagnent à toi”というとても美しい言葉があります。
「あなたと一緒に道を歩んでくれる人」という意味で、変容の旅の間あなたと共に、知識や専門性や第三者の視点などを提供しながら一緒に冒険をしてくれる人を指します。
コンサルタントやコーチなど英語ではなかなかしっくりくる言葉がありませんが、共に歩んでくれる人という意味合いのこのフランス語が一番しっくり来ます。
そしてここで大切なのが、リーダーとコンサル/コーチ etc. との深いレベルでの信頼関係です。
コーチとなる人は、耳を塞ぎたくなるような事でも率直に意見を述べてくれて、それに対して素直にあなたが受け止められるくらい信用できる人でなくてはなりません。
2つ目の考えは、3つのレベルに分けられます。
レベル1は、CEOのパーソナルコーチです。
他のビデオでも述べてきましたが、この組織変容でCEOの役割は大きく変わりますが、それでも尚大きな責任が伴います。
それに対し率直にアドバイスをくれて、CEO自身がとても信頼でき、頼れる存在となるコーチが必要です。
レベル2は、エグゼクティブチームのコーチです。
いくつかの組織はこの変革を組織全員ではなくエグゼクティブチームと共に行います。
そのため、CEOだけでなくエグゼクティブチームにも、矛盾したメッセージを全体に発信しないように見守るコーチが必要かもしれません。
エグゼクティブチームのメンバーの中にはもしかするとこの組織変容について全く理解していない人がいるかもしれません。
そのような人には、コーチやファシリテーターの存在が不可欠となります。
3つ目のレベルは、組織全体へのコーチです。
この変容の旅には参加へのたくさんの招待状などが必要となるため、組織外部の力を借りてディスカッションのためのスペースを作ったり、不安を解消したりするのもいいでしょう。
ここで興味深いのが、コーチの中には3つのレベルと同時に働ける人がいるという事です。
社員の声を聞いた後に、CEOと話をして現場の声を届け、CEOと組織全体両方が不安を感じないようにする事ができます。
コーチングの世界では、一般的に異なるレベルを一人がマネジメントする事はよくないとされていますが、もしそれだけの力量のある人なら、3つのレベルを同時にコーチした方がより効果的なのです。
3つの目の考えは、専門性についてです。
あなたはコーチにどんな専門性を期待しているのでしょうか?
大きくは、単純に意味のある議論をするためのスペースを作る事ですが、時には外部のコーチに多くを期待してしまう組織もあります。
そうすると、実は組織が自身でソリューションを見つける機会を奪ってしまうことになります。
良いコーチは、組織の専門性へのリクエストを逸らし、どんな専門性が組織の中に存在しているのかどうかを見極めようとします。
一方で、新しい組織の中には全ての答えが揃っているのだから外部の専門性など必要ないと言い切ってしまう組織もあります。
しかしそれも極端すぎます。特にセルフマネジメント組織には、全部の答えはないかもしれません。
セルフマネジメントのチームになると、思考の方法がこれまでとまるで変わりますが、誰もそう言った考え方には慣れていません。
そのため、ヒントをくれる誰かが必要となるのです。
したがって、常にコンサルティングに頼るのではなくても、必要な時に外部の専門性の力を借りるのが良いでしょう。
そして4つ目の考えは、4象限のビデオでも紹介しましたが、私たちは皆Preference(好み)とBlind spots(盲点)があるということです。
これはコーチにも当てはまります。彼らにも好みと盲点があるのです。
コーチの中にはプライベートな会話、つまり自分の中の成長や内なる視点について話すのを避ける人もいます。
そしてもしかしたら、あなたにより深いレベルの質問をし、深層心理を表に引き出してはくれないかもしれません。
逆に、システムや実践を自然と避けてしまうコーチだと、その部分の変容が疎かになってしまいます。
これはとても興味深いのですが、ひょっとするとあなたは無意識に自分の好みと盲点を持つコーチを選んでしまうかもしれません。
そのため、4象限に関するビデオを見ておくのはとても面白いと思うのでおすすめします。
※4象限のビデオの要約版はこちら
以上がコーチやコンサルタントに関する私の4つの考えでした。
この考え方は、どうやってサポートしてくれる人を見つけるのか?という時に役に立つ考え方です。
おそらくあなたを助けたいと思っているコーチやコンサルタントやファシリテーターは沢山いるでしょう。
しかし、あなたに一番合った人を見つけるにはどうしたらいいのか?
そう考えた時に上で挙げた4つの考え方を質問にして自分に問いかけてみましょう。
①この人からなら厳しい真実を伝えられても受け入れられると思える人かどうか?
②どのレベルでその人に働いてほしいと思うか?
③その人はこの新しい組織に関する専門性や経験があるかどうか?
④その人のPreference(好み)とBlind spots(盲点)はどこか?
みなさんが自分にあったコーチ/コンサルタント/ファシリテーターを見つけられることを願っています。