「支配的企業文化:システムを変えるだけでは不十分」動画(4.1.18)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「支配的企業風土:システムを変えるだけでは不十分(Dominator cultures: Changing systems is not enough)」要約

支配的企業風土:システムを変えるだけでは不十分

セルフマネジメントの目標は組織全員を平等にすることである、というのは誤解だと以前話しました。廃止したいのは支配的なやり方であって、自然にできる階級のことではないと。皆が等しく同じ力を持つということでなく、個々の力を最大限に発揮できる組織にすることが目標であるということです。また、一人一人が行動を起こすべきと感じた時に必要な行動を起こせる仕組みが組織にあるということです。根底から仕組みを覆すことになります。

 個が最大限に活かされるには、システムを切り替えるだけでは不十分であることに気付くでしょう。支配的な風土が染みついていて、自主経営に変えた後も消えていないことがあります。例を挙げます。私は中級階級の白人男性であって、これまで私が何か言えば誰かが耳を傾けてくれた環境で育ってきました。もし私が女で、白人でなく、労働者階級の中で育ってきたなら、また違う経験をしてきたでしょう。女だったなら、イニシアティブを起こしても受け入れてもらえないかもしれない。同じことを言っても、女性である自分と男性である誰かでは周りの受け取られ方が違う。ある女性が「自分にとってすごく大切なことがあったので、男性とこっそり手を組んで、その人から話してもらった」と明かしてくれましたが、とても衝撃的でした。

 このように、それぞれ環境の違いがあるので、自分の意見は相手にされないと思っている人もいます。新しいやり方を取り入れるにあたって、この根付いた観念には注意する必要があります。いくら誰かがアドバイスプロセスを使って何か提案しても、女だからとか、白人じゃないから、とかいった理由でアドバイスの質が変わってしまったらどうでしょう。Simon Montという人が書いた記事で、ホラクラシーを強く批判しているものがあります。

「根底にあるカルチャーを考慮していない」という彼の意見はもっともです。私たちは企業の制度や仕事のやり方を変えることに注力しますが、はびこってしまった圧力みたいなものは簡単に変えられません。そこで私は、新しいやり方に切り替える初期段階で、そういう類の本質的な話し合いをするべきだと思います。性別、人種、経済的な違い、障害などがどう邪魔していて、どうしたらもっと個々が力を発揮できる組織にできるかを。難しい話題でもあるので、外部からファシリテーターを呼ぶこともいいでしょう。私のような白人中流階級男性タイプにはこのような話し合いは良い経験になると思います。自分がこれまで気づかなかったことがたくさん出てくるでしょう。

 またそれによって何が起こるか。不必要に意識しすぎてしまうという事態に陥ることもあります。「相手の話をついつい遮ってしまった。相手が女だから無意識にそうしてしまったのか?熱中していただけなのか?相手が男でも遮っていたか?。誰であろうと遮ってはいけないのか?」等々、ごちゃごちゃ考えてしまう。それがしばらく続くかもしれません。悪いことでもないと思います。女もマイノリティも変わらずいるわけで、少しくらい混乱の期間に陥っても別にいいでしょう。でもその混乱がいつまでも続いているのもよくありません。

こういう風に考えたらどうでしょうか。紛れもない事実が二つあります。一つは、みなそれぞれに違う、特別の存在であるということ。私はフレデリックという唯一無二の人間で、中流白人男性というカテゴリーで単純化することはできません。しかし、また一方で、特定のカテゴリーの中で育ってきたことも事実です。それによって特定の既成概念が形成される。どちらも同様にある真実です。そこで、この二つのことを話し合える場を取り入れていきましょう。決して裁かない態度が必要です。誰であろうとも、決めつけず、批判せず、理解することを心がけましょう。それによって、自主経営の下、個々が真に力を発揮できるという理想に近づいていけるはずです。

 

 

[cta id=’152′]

最新情報をチェックしよう!
>ティール組織マップ配布中

ティール組織マップ配布中

日本唯一、ティール組織に向けた現状診断や課題発見、目標の設定などに使えるマップです。ティール組織の本場、ヨーロッパで開発したものを翻訳して無料配布しています。

CTR IMG