「企業文化、システム、マインドセット、どれに重点をおくべきか?」動画(4.1.17)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「意識、文化、システム、どれに重点をおくべきか?(Focus on mindsets, culture or systems)」要約

意識、文化、システム、どれに重点をおくべきか?

前回、セルフマネジメントの基本5プロセスを実施すれば9割がた自主経営に向かっているだろう、と話しましたが、それはシステムを変えるために必要な要素であって、組織変化はシステムの変更だけでは実現しません。マインドセットやカルチャーも同じくらい重要な側面です。以前にも話したので深くは触れませんが、変化を起こす4つの柱があって、この4つは並行して進化する必要があります。その4つとは「意見やものの見方(mindset & beliefs)」、「行動(behavior)」、「文化、慣習(culture)」、そして構造やプロセスといった「システム」です。機械的なヒエラルキー組織から有機的な自主経営に切り替えるには、リーダーを含め全員の「マインドセット」が切り替わる必要があり、それなしでは5つの基本プロセスもうまくいきません。

 またマインドが正しく切り替わっていても、行動が伴っていなければ、例えばセルフマネジメントという意識を持っていても部下が承認を求めればついつい承認する、あるいは問題が起これば従来と同じく自分で立ち入って対処してしまう、というようなことを続けていれば、組織は変化しません。あるいは、組織に深く根付いた不信感があれば、自主経営に切り替えましょうと言ってみても、社員は信用しません。まずは組織のカルチャーを良くする必要があります。

 組織のリーダーと話していると、セルフマネジメントをうまく掴んでいるように思えますが、どうも切り替えには苦労することも多いようです。前回話した5つのプロセスを使ってシステムを改善することが、他の3つの側面での変化を促すことにもなります。例えば意識が完全に切り替わっていなくても、アドバイスプロセスといった新たな仕組みを利用していくことで意識が徐々に形成されるでしょう。

 他のコーチやコンサルタントから「企業が自主経営に変わろうとして相談してきても、実は本腰で考えておらず、社員のモチベーションや業績を挙げる手っ取り早いやり方のように捉えているようだ」と聞くことがあります。そういった相談は私にはあまりくることがないのですが、多分それは私が面倒くさいことを言ったり、質問をたくさん投げかけるからでしょう!

私は、単に5つのプロセスなどを話すのではなく、リーダーと一緒になって根付いた意識や行動やカルチャーの問題点を見つけ出そうとします。組織に根付いている階級などをトップに見てもらい、彼らが必要性を感じるよう後押しします。トップと社員を交えてオープンな話し合いの場を持てば、それもカルチャーを変えるきっかけになります。ボランティアを募り、アドバイスプロセスを使って社員を巻き込みながら、新しいやり方を浸透させることでカルチャーが変化していくのを感じることができるでしょう。

 フランスのある工業組織がFab Labを設置して良い効果を生んでいるそうです。Fab Labというのは、工作機械を備えたワークショップです。これでいろんな担当者がチームを組んで試作品を作り、全体に発表して一番優れた試作品に投票するといったことをしています。これはイノベーティブなアイデアや製品を開発するのにいい手法ですが、それだけでなく、企業風土を変えるのにとてもいいやり方です。特に、これまでトップに立っていた者も、そうでないものも関係なくチームとなり、お互いの知見や技術を活かしながら、築きあがってしまった旧組織のヒエラルキーを壊すのです。4つの柱を念頭に置きながら、どこから行動を起こしていけばいいか考え、システムや行動や風土を切り替えていくことが大切です。

 

 

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