「1.7 How do you hold the journey ahead」要約
この変革の旅をどう捉えていますか?
今日は前回の動画と関連しますが、この質問をしたいと思います。
あなたは、この変革の旅をどう捉えていますか?
これは楽しいアドベンチャーだと思う人もいれば、大変で厳しい旅だと思う人もいます。
あるコンサルティング会社と話をしていました。彼らは50くらいの組織を自主経営(セルフマネジメント)にするのを支援していました。彼らは成功体験をたくさん持っていましたが、組織変革の旅は大変だったと言っていました。
自主経営(セルフマネジメント)に付随する責任感を持っていない、教育システムが不十分、等々。
しかしその会社の創業者だけは、とても楽しい旅だったと言っていました。直面している事実は一緒にも関わらずです。
どこからその違いが生まれるのでしょうか?
私が思うに、この旅を難しいものと思っている人は、ゴールの状態と今を比較し、すべてのことがまだまだ理想に届いていないと考えています。
しかし、創業者は、単純にジャーニーを楽しんでいました。進展がなかったり、抵抗する人がいたりすると、“では話してみましょう”と考えることが出来ます。そう考えれば、旅は楽しいアドベンチャーになります。
さて、あなたはこのジャーニーをどう捉えていますか?
これには正しい答えも間違った答えもありません。ただ、この創業者のように考えれば、大変なことも意味があるものだと感じられます。
この旅をするのは、理想を達成したい、というわけではなく、もう古いやり方ではやりたくない、と思ったからだと思います。もし比較するのであれば、理想とではなく、過去のやり方と比較してほしいと思います。
これはずっと続く旅だと思って、遠くの理想に目を向けるよりも、目の前の瞬間を楽しんでほしいと思います。
「1.8 The language you use」要約
どんな言葉を使うか?
言葉の使い方は、私たちを形作っています。違う言葉を使うと、違うように考えて、違う振る舞いになります。
この旅を進めるにあたって、どういう言葉を使いたいか、どういう言葉を使いたくないかを考えてみてください。
たとえば、従業員」(employee)という言葉は私は使いたくありません。同僚(colleague)のほうが良いですね。
こんな感じで、どんな言葉を使いたいかを考えてみてください。あなたにとって意味ある言葉を使うことです。自分を偽って、「アソシエイツ」や「信頼できる仲間たち」などのような言葉を使うのだけは避けてください。
マネジメントで使われるような言葉をすべて無くすくことは出来ないのかと考えることがあります。10歳でも分かるように、抽象的な言葉ではなく文章でわかるように。「エンパワーメント」ではなく「みんなが重要な事を決められる」など、いつも使っている言葉で話したほうが良いと思います。
では、どういう新しい言葉を使い始めたいのか?
音楽が大好きな人がいて、会社の中で使う言葉を音楽に紐づけて話したり、書いたりしていました。彼は仮面を取って話し、全体性(ホールネス)を会社に持ち込んでいます。
だから、どういう言葉を使い始めたいでしょうか?
私であれば、「care」「love」「「longing」「calling」「hope」「life」というような言葉を使いたいと思います。普通の組織では不思議だと思われるかも知れませんが。
組織でどういう言葉をもう使いたくないか?どういう言葉を新しく使い始めたいか?を意識してみてください。
「1.9 Know your preferences」要約
リーダーの個人的な傾向や気質が変容することが、良くも悪くもこの旅にも影響を与えます。
ですから自分の傾向や好みについて自覚することは大きな価値があります。
あなたが 自分の持つバイアスに無自覚なまま行動を起こすと、誤った方向への変容をもたらす時もあるでしょう。
これについて、ふたつの極から考えてみましょう。
ひとつ目に思い浮かぶのは、
明確さや標準化を重視する傾向と、曖昧さや創発的、混沌としたものを重視する傾向という、ふたつの極です
たとえば私は 個人的好みで言えば、システム的に考えることを好みます。
物事のかなり早い段階で、新しい方法 新しいプロセスに気づくと、新しい方法を押しつけてしまうことがあるんです。
「セルフマネジメントの仕方を変えたいなら、こんなステップで こんな方法で・・」というように。
しかし、他の人はまだ準備できていないのです。
もっと検討する時間が必要なのです。
MBTI診断を知っている人なら私のタイプは J (判断的態度)と思うでしょう。
(※MBTI:マイヤーズ・ブリックス診断。世界で最も使われている性格診断の一つ)
私が組織変革に関わっている組織リーダーの方は、対極のタイプです。
彼は曖昧さや創発的なことに対してものすごく許容範囲が広いんです。
人々はそれぞれスピードもプロセスも違っていて、多様な人がひとつの組織にいるので
プロセスにも違いが生じるのです。
ですからお勧めしたいのはただ「気づくこと」です。
自分の傾向はどちらに寄っているか?
そして自分の好みを押し付けることなしに、組織のニーズを認識し、それを選択するということ。
実行すべきプロセスや道筋が見えたとしても、一旦立ち止まり自分に問うことです。
「今は業務プロセスを決めるのに適したタイミングだろうか?それとも早すぎるだろうか?」と。
先ほどのリーダーにとっては逆のことが言えます。
「私は物事がクリアでなくともいっこうに気にならないが、組織が今必要としているのは
何だろうか?」と問うことです。
ふたつ目の両極の例は、「寛容さ」と「せっかちさ」です。
これもどちらを好むかが分かれるところです
あなたは普段からせっかちかもしれません。自分の行きたいところにすぐにでも到達していたい人で、理想の姿が目に見えるタイプ。
一方、他の人たちは 寛容過ぎるかもしれません。
「どこでもいいと思えればいいさ」と。
しかし、健全なレベルのせっかちさというものもあると思います。
両極の間のどの辺を自分が好む傾向にあるでしょうか?
そして組織が求めるのはどの辺でしょうか?
そういったことをあなたが知覚できるでしょうか?
みっつ目の組み合わせは、後方からリードするのを好むか?前に立ってリードするのを好むか?です。
後方からのリードを求められることもありますし、別の場合には 前に立ってリードすることが求められることもあります。
どちらが良い悪い、ではありません
しかし ここでも自分の自然な傾向として、どちらが強いか?ということです。
あなたは自然と前に立ってリードする傾向がありますか?
それとも自然に後方からリードする傾向が強いでしょうか?
あなたは必要であれば、自分の傾向や好みを手放すことができるでしょうか?
よっつ目 最後の組み合わせですが、物事を解決するのに頭で行うことを好むでしょうか?それとも心(ハート)で行うことを好むでしょうか?
一般的な傾向の話をすると、ビジネスの世界は多分に頭に偏っています。
例えば、多くの会議では合理性を重視して行われます。
しかし実は会話の核心は、もっと深いところにあるのです。
表面化できない不満や承認の不足などが、深いところにあります。
頭で解決しようとしても、本当の問題の解消はできないのです。
お勧めしたいのは同僚や組織と関わっていく時にハートから行うことです
ただ、私が出会ったリーダー達の中にも、ハートから来るものだけを語り、また語られるべきだという信念を持っている人もいます。数字やデータなど頭で処理するものは商人できないとか。
もちろん、そんなことは ありえません。
問うべきは私たちに両極を行き来するような柔軟性があるか?です
これら以外にも、たくさんの二極を考えることができるでしょう。
ぜひ自分の傾向という観点で考えてみてください。
自分の傾向がどの辺りにあって、どのような場面でそれが組織のニーズを満たすのを妨げているでしょうか?
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