どこまで自主経営にするか?

「どの程度までセルフマネジメントを実行するのか」動画(4.2.1)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「どの程度までセルフマネジメントを実行するのか( How far will you go )」要約

どの程度までセルフマネジメントを実行するのか

セルフマネジメントを始める前に、自分自身や他の社員たちとどの程度までセルフマネジメントを実行したいかを明確にする事が重要だと思います。私は「セルフマネジメント」の言葉の理解を明確にしなかったことで、不必要な痛手を負ってきた組織をいくつか見てきました。組織全体で経営方針をきちんと理解していないと大きなことから小さなことまで理解を修正するのに時間がかかるのです。

もしかしたらあなたは本当はセルフマネジメントを望んでいないのかもしれません。あなたが実際に欲しているのはエンパワーメントであり、ヒエラルキーなしで組織が成立するのか疑問を感じていたり、オーナーや経営陣が自分の意見を反映してくれないなどに不満を感じているのかもしれません。セルフマネジメントでは形式的なヒエラルキーを維持しながらもできることはあります。ボブ・ヒギンス(Bob Higgins)著書の発達指向型組織についての本がありますが、この組織たちも未だ形式的なヒエラルキーを持ちながらも組織として良い結果を残しています。このように、ヒエラルキーを維持しながらもサーバントリーダーシップをとるなどしてエンパワーメントを持つのも1つの方法です。

また、2つ目の段階はある程度のヒエラルキーを維持しながらセルフマネジング・チームを持つことです。例えば、工場では現場にセルフマネジング・チームがあり、それに加えて組織全体ではピラミッド型の経営形態を保っていますね。ホールフーズ(Whole Foods)がアマゾン(Amazon)に買収された後どのようにして進化していくのか興味深いですが、私が理解しているホールフーズの形態としては、それぞれの店舗がレジ担当者、生鮮食品担当者、精肉食品担当者などのチームが店舗のセルフマネジメントをしており、店舗以外の組織部分は従来のピラミッド型の経営形態です。

もしくは、最終形態としてフルセルフマネジメント(完全自主経営)という選択肢があります。これは実際に権力構造というヒエラルキーをなにも持たないことです。組織によってはある程度の時間がかかるかもしれません。大きな組織であれば1年から2年、もしくはそれ以上の年月を要する場合もあります。このことから、あなたが経営者として何をしたいのかを明確にするのがとても重要になってきます。そしてそれは社員にきちんと自分たちの将来を理解してもらい、計画できるようになってもらうことに他なりません。

もちろん徐々に段階をふんで発展させることもできます。まずはエンパワーメントから始め、現場でのセルフマネジメント・チームを経て、フルセルフマネジメントへ移行する準備が整ったと経営陣も含めて判断できるときがくるかもしれません。しかし今の状況からとりあえずどの段階までセルフマネジメントを実行するのか、どこまでなら経営陣も賛成してくれるか、を明確にすることです。

ニュアンス的にいうと何になら快適にセルフマネジメントを実行できるか、何にならまだ難しいと感じるか、これらをリスト化するのも良いですね。例えば、ヒエラルキーを払拭することには賛成だけどもいくつかの決定事項にはリーダーとして拒否権をもっておきたい、などある程度のセルフマネジメントを取り入れながらも特定の事項については組織の意思決定として多少のトップダウン方式を維持する、という具合です。このリスト化という作業は経営陣とどの範囲ならセルフマネジメントを実行しても良いか、またはリスキーであるか、または自分たちが決定権を持っておきたいかなど話し合うときにも使えます。

繰り返しになりますが、一度口に出して浸透させたものを今一度明確化するのは大変です。組織内でセルフマネジメントに関しての誤認識が起こらないように、どの程度までセルフマネジメントを行うかを初めに明確にすることをお勧めします。

 

 

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