「誤解2:セルフマネジメント(自主経営)では、構造やプロセスやルールがなくなってしまう」動画(4.1.6)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「誤解2:構造やプロセスやルールがなくなってしまう(Misconception 2: No more structure, processes and rules )」要約

誤解2:構造やプロセスやルールがなくなってしまう

これはもう常日頃出くわす誤解です。また単に誤解であるだけでなく、この誤解は落とし穴でもあります。誤解すれば大きな痛手を負いかねないので注意してください。

 「セルフマネジメントには構造もプロセスもルールも存在しない」というのは間違った解釈です。

 従来の組織構造もプロセスもルールも理解に苦しむものなので廃止してしまおう、と誰しもが思っています。セルフマネジメントの導入を構造、プロセス、ルールの廃止、と捉えると悲劇的な結果を生みます。古いものを壊すのですから、新しいもので置き換えないと混乱が生じます。皆どうしていいかわからなくなり、しまいには元のやり方に戻るという悲しいことになります。はっきりさせておきますが、自主経営にも決まった構造、プロセス、ルールがあります。数は少ないかもしれませんが、そもそもこれらの要素はどんな生命体にも不可欠です。例えばBuurtzorgというオランダのホームケア団体では14000人の看護師が従事していますが、全員、構造やルールに沿って動いています。

 構造やプロセスやルールの中身が従来と大きく異なるということです。権力がトップの少数に集約されているのではなく、全員が決定権を持ち得るのです。また、変化の少ない(static)構造から、有機的で現場や環境の変化に応じて対処できるようになります。

 プロセスについても、従来はどこかの誰かが決めたルールを均一に適用され、意味をなさない現場もあったりするわけですが、それを状況により適した対処を導入できるプロセスに変えます。事業によってプロセスの性質は当然変わります。Buurtzorgのように細かい取り決めがなくても機能する組織もあれば、ケチャップを製造するモーニングスターのように細かいプロセスが統一的に適用されなければならない事業もあるわけです。ただ、どんな事業プロセスにおいても一方的に課されるプロセスでなく、それぞれの現場で適したプロセスをデザインできるわけです。

 ルールについても同じです。組織決定のルールや対立が起こった際の対処の仕方などにおいて決まったやり方があるという点では従来と変わりません。違うのは、トップから課されるルールでなく、より適したルールをそれぞれが提案していけるシステムです。存在するルールの性質が違う、ということがわかっていただけたと思います。

 時々、セルフマネジメントを導入した結果、好ましくない反応が社員から出ていると相談を受けたりします。セルフマネジメントをはき違えて、「あなたの言うことは聞かない、私は私のしたいようにやる」という言う人が出るみたいですが、私ならこう返します。「私はあなたの上司ではないので命令はできないが、組織のルールはルールとして守ってプレーするのが前提じゃないですか?今のルールが嫌なら新しいルールを提案してもらっていいし、それが適用されるまではこのルールでこの組織は動いている。」

 繰り返しますが、セルフマネジメントにも構造やプロセスやルールがあり、その性質が従来とは異なっているということです。どうか誤った考えで進んで失敗しないよう注意してください。

 

 

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