「誤解3:ティール組織ではトップダウン経営は終わり」の動画(4.1.7)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「誤解3:トップダウン経営は終わり(Misconception 3: No more decisions “from the top” )」要約

誤解3:トップダウン経営は終わり

「セルフマネジメントに切り替えた途端、トップが組織を率いるのをやめてしまった」と相談を受けることがあります。従来のやり方ではトップが全て決めていたところを、ボトムアップ式に切り替えたのだから、一見、適切な変化に感じられます。

 これもまた大きな誤解です。なぜかと言うと、そこにはまだトップとボトムという階級的な見方があるからです。セルフマネジメントにはヒエラルキーの概念がないので、皆が同じように決定権を持ち、同じ決定プロセスに従って組織決定がされます。従来のやり方だと組織の底辺にいる人は決定権がほとんどありません。上司に提案してもそれが組織構造の上へ上へと上がるうちに提案者は決定プロセスから外されるか、あるいは状況が変わってしまう。だから底辺の者は決定権がないものと理解し、提案さえしなくなります。新しいシステムはそこを大きく変えるので、トップとかボトムといった概念に意味がないのです。

 代わりに、決定事項を特定(specific)と全体(broad)に分けて考えるべきです。組織のある者はより特化した、例えば機械オペレーションといった専門的な業務に従事し、ある者は組織全体の戦略など、全体的な業務に従事しています。どんな組織にも両方のタイプが必要です。

 古い体制で決定権を握っていたトップが、体制が変わったからと言って突然消えてしまえば、これまでその全体的な仕事を担っていた人間がいなくなります。長期的な視点で考えれば、そういった仕事の幾つかは不要になるかもしれないし、特化した業務でも新たな問題が出てきてもっと全体的な役割も必要とわかり、イニシアティブをとる人も出てくるでしょう。しかし、新しいやり方が浸透し皆が適応する過程を経るのには時間がかかります。ですから、初期段階は引き続き同じトップが全体の決定を担うなどして徐々に変わる必要があります。

 全体的な役を担う人間が突然いなくなれば、組織の誰にとっても損です。こういった状況に陥ったリーダーから相談を受けた際、「あなたの力を発揮できていなくて勿体ないですね?」と尋ねたら、彼らは大きく頷き、葛藤を明かしてくれました。特定の業務にあたっている人たちも同じです。「上からの指示が急になくなって何か動かないといけない気はするけど、どうしていいか、どこに向かうべきか、よくわからない」と思っているでしょう。

ある意味、愚かなことだと思います。これまでリーダーを担ってきた者は、これからの組織のやり方に関してロールモデルとなれるわけです。これまで特定の業務にあたってきた者にとって、たとえばアドバイスプロセスがどういったものか、ロールモデルがいなければわからないのです。旧リーダーたちは率先して組織改善の新しい提案を、トップダウン的な以前のやり方ではなく、アドバイスプロセスなどの新しいやり方を使って見せてあげればいいのです。それによって新たに決定権を持った者は、行動を起こすイメージが湧きます。

 今リーダー的な立場にいる人たちは、変わらず決定する力を持っていることを忘れないでください。組織の他の者と同等の立場でそれを行う、というだけのことです。組織はあなた方のような経験豊富な、貴重なインプットを変わらず必要としているのです。旧リーダーにとって新しいやり方は何を意味するでしょうか?少なくとも三点挙げられると思います。一つに、「このような決定を下そうとしているのですが、承認していただけますか?」とやってくる者には、承認がもう不要だということを事あるごとに伝えます。

そして、突き放すのではなく、新しい組織決定の手順、アドバイスプロセスであればそれを、わかりやすく伝え、指導してあげるのもいいでしょう。この決断なら誰の知恵を借りれば心強いか、この決断は誰に影響を及ぼすのか、それをどのように共有すればいいのか、チームの立場に立って考え、それを伝えるのです。その際、それが指示ではなく助言であり、どの決断が最善かは皆で決めることであると伝えてください。二つ目に、組織にはミーティングなど決定を下すための場があります。古いやり方に組み込まれた習慣なので、それを解体し、新たな組織決定ができるよう働きかけてください。そして三つ目に、皆と同様、旧リーダーも、組織を改善する必要性を感じた時には積極的に新しいやり方を使って行動を起こし、お手本を見せてください。そうすることで周りも新しいやり方を理解していくでしょう。

 

 

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