「社長は味方を作り、彼らを守ろう」動画(1.11-1.12)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「1.11 Holding the space in the transition」要約

新しい世界でのあなたの役割

前の動画では、CEOの仕事を役割の集まりとしてみることについて話しました。

スペースを確保すること。新しいマネジメントを目指すためにスペースを確保し続け、従来型のマネジメントになりそうなときに「違う、そうじゃない」と声を上げることです。

スペースを確保することについてもう少し話しましょう。

あるCEOが、CEOの役割は、小さなボートが海岸から沖に行くことに似ていると話しました。海岸からボートを進めるためには、強い力が必要になります。しかし、波を乗り越えて、沖に出ればより簡単に進めるようになります。

このたとえはわかりやすいです。組織を変える時、最初は強い支援が必要になるのです。最初にスタートするチームは、新しい実験的試みをすると、組織のあらゆる抵抗にあいます。CEOは彼らを守る役割が出てきます。特に、意図的じゃないにしろ、役員会やCEOに近いスタッフ部門から攻撃されることがあります。

そこから質問が出てきます。あなたの組織の中で、あなたが新しいやり方を躊躇してしまうほど、辞めてもらっては困るスタープレイヤーはいますか?別の言い方をすれば、辞めてほしくないんだけど、新しいやり方に反対するような人はいますか?

この質問を考えると、この旅があなたにとってどれくらい重要なのか?を再考することになります。スタープレイヤーを失っても進めたいですか?

ある組織では、そういったプレイヤーのために、彼らの強みを活かしながらも、彼らが組織変革を止めなくても済むような、新しい役割を用意します。たとえば、それはアドバイザー的な役割です。彼らの見識を活かせる立場ですが、他の人に何かを強要することはありません。

さらに次の質問があります。あなたの役割が最初のチームを守ることならば、どうやってそれを強制的にならずに実現するのでしょうか?

ひとつのやり方は、“なぜ?”と“何を?”をとても明確にすることです。最初のほうの動画でも話しましたが、なぜこれを進めるのでしょうか?なぜ元のやり方に戻りたくないのでしょうか?それをとても深いところから話すことです。

そうすれば周りの人はあなたに協力的になるし、やり方にもオープンになるでしょう。

役員会にも同じようにすることです。“これは受け入れられない。なぜならば・・・”と伝えるのです。これはひとつのやり方の提案です。

最初の話に戻り、ボートを漕ぎだして、波を越えて沖に出ると、組織内での抵抗が減ってきます。そうなると、あなたのスペースを確保する役割は、もっと軽いものになるかもしれません。ほかの人があなたがやっていた役割を担い始めるからです。あなたの役割は、他の人がスペースを確保するのを助けることになるかもしれません。もし、他の人がやらなければ、最後にはあなたがやればいいのです。

最初にリスクを取る人たちをあなたが守ることです。なぜならば、最初にあなたが“新しいやり方でやろう”と言ったとき、みんなの頭の中に湧いてくる質問は、“本当に?いざという時には助けてくれるのか?”というものだからです。だから沖に出るまではあなたが守ってあげることです。

「1.12 Getting support during the journey」要約

旅のサポートを受ける

組織の変革の途中でどうやってサポートを得るのでしょうか?

従来型の組織では、CEOは孤独な存在です。ただ、この旅路では、その孤独な状態から離れていくことになります。多くのCEOがいうには、意思決定をしたり、組織にプレッシャーをかけたりする役割がなくなると権力差がなくなり、人とより深く関わることもできるようになるとのことです。

ただ、これはすぐには実現しません。その間に孤独になることがあるのです。あなたは、新しい組織の姿が見えているかもしれませんが、他の役員はそうじゃないかもしれません。

私が考えるには、CEOがサポートを探せる場所が3つあります。

ひとつめは、これは大きな組織の場合ですが、CEOの味方となる同盟グループです。彼らが新しい組織を作る手伝いをしてくれます。

ふたつめは、パーソナルコーチをつけることです。自分の疑念やフラストレーションを感じること、自分の“影“がどう組織に影響するか、またどうすれば私の強みが活かせるか、などを話せる相手です。そういう人が役員会にいても良いでしょう。

フランスのある組織、Tuscanという会社はクライアントを支援するとき、CEOだけではなく、他の役員、またCEOの味方となるチームのコーチもします。そうすると、コーチはCEOにとってより強力な存在になります。CEOだけと話しているよりも、組織で何が起こっているかをより強く感じることが出来るからです。

従来型のコーチは、特定の人だけと関わっていたほうがいい、という考え方でした。ほかの人も巻き込むと複雑になるから、という理由です。ただ私はそうは思いません。経験豊富なコーチなら、そういったことにも対応できます。ですから、リスクよりも実りのほうが多いと思います。

あなたがコーチとして招きたい人を見つけたら、ぜひ他の人ともかかわるように言って欲しいと思います。また、少なくとも、あなたが個人的なコーチをつけることをお勧めします。

みっつめは、他の会社で同じような変革にチャレンジしているCEOを見つけることです。フランスのあるグループでは、CEO達が集まって2日間で議論をしています。

どうことをやったか、それはうちでも試してみよう、あなたのやったことをうちで共有してくれないか、とか。2、3人でいいので、他にも同じような旅路にいる人を見つけてほしいと思います。

旅を進めれば、孤独を感じなくなる時も来ると思いますが、最初は孤独を感じるかも知れません。ですから、同盟グループ、コーチ、他のCEO、などを探してほしいと思います。

 

 

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