「バックオフィス(人事、総務等のサポート部門)の役割はティールでどう変わるのか?(What to do with support functions?)」要約
バックオフィス(人事、総務等のサポート部門)の役割はティールでどう変わるのか?
セルフマネジメントに移行する際、サポート機能はいったいどうなるでしょうか。とても小さい組織でもない限り、組織の中ではサポート役に徹する人たちがいますよね。組織が大きくなるにつれて、ファイナンスチーム、会計監査、HRなどでそれぞれチームを成していると思います。そして現代では、「サポート」機能はサポートだけでなく現場で大きな力を持っていることが多いです。ですがセルフマネジメントでは、彼らは既存の組織で持っていた力は持ち合わせず、本来の「サポート機能」になります。
セルフマネジメントに関しての本に「現場の業務プロセスの質に関しては生産ラインで働く従業員が責任を負うべきであり、サポートチームはそれに対するアドバイスに責任を持つべきである」とあるように、現場チームがサポート機能に求めるものとはあくまでも「チーム外からの委任」です。ここでは、サポート機能が持つ4つの役割についてお話したいと思います。
一つ目は、助言を与えることです。ピラミッド型の組織と違い、セルフマネジメントではアドバイスとはすぐに求めることができるものであって、上層部に尋ねるものではありません。まず、助言とは外部からくるものです。それによってアドバイザー役がチーム内でのチームの方向性まで決めてしまうというリスクを減らします。また、助言をする役割の人たちはそれぞれチームに所属していながら、また時には同じく専門的な助言ができる人たちと実質上のチームを組んだりするということが多くの組織でみられます。
二つ目は、基準やポリシーを定義することです。セルフマネジメントをする上で、組織の基準やポリシーは組織外の人間が介入するべきではないので、これは組織内のサポート機能が担うことになります。しかしセルフマネジメントにHRチームやメンテナンスチーム、リスクチームなどはないので、自発的な特別部隊によってまかなわれます。多くの工場や発電所などでは、リスクマネジメントなどにアドバイスする自発的な特別部隊がいますが、彼らは外部の誰よりも工場内や発電所内に必要なルールやポリシーを的確に定義することができるでしょう。
三つ目は、コントロールし執行することです。これは上記の基準やポリシーを定義することよりも重要度は高くないかもしれませんが、チーム自体が定義したあとに責任をもつことは大事であると思うのです。例えば、毎年チーム同士でポリシーなどに関してきちんとできているか監視し合うようにしてもいいかもしれませんね。
四つ目は、現場のチームをサポートすることです。税金や書類、銀行に関してなどの管理的仕事をすべてのチームでトレーニングしてできるようにするというのは現実的ではありませんよね。このことから、セルフマネジメントでは他すべてのチームのために代わって管理的仕事を受け持つチームが存在します。いかにも、「チーム外からの委任」です。
さて、以上で述べたようなことをするチームが、セルフマネジメントでの真のサポートチームですが、以前サポートチームで働いていた人たちは、セルフマネジメント導入後に現場のチームで働く場合が多いです。そして組織の中で1人か2人、いつもアドバイスを求められると的確なアドバイスをしてくれる人たちでサポートチームをつくるのも良いと思います。実際にまだこれを実行している組織はみたことがないのですが、特に大きい組織では私はとても良いアイデアだと思っています。
また、サポートチームのトップとして現場で威厳をふるっていたのにセルフマネジメントで力を失い、他の現場のチームに移動させられることが苦痛だという人がいますが、心配いりません。実際に現場でサポート役にまわることはチームと直接的にコンタクトがとれ、さらにチームの人たちにとって非常に役に立つことだからです。始めは気落ちしてしまうかもしれませんが、後に真のサポート機能としての良さを発見できるはずです。
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