「セルフマネジメントにおける自己修正システムのビュートゾルフ社などの事例」動画(4.1.12)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「セルフマネジメントの自己修正システムの具体的な事例(Self-correcting systems: Examples!)」要約

セルフマネジメントの自己修正システムの具体的な事例

セルフマネジメントの鍵は自己修正であることを話しました。今回はそれをもっと具体的に理解するために6つの状況を考えたいと思います。自己修正を組織で実践するための具体的なステップをとる際の参考にしてもらえればと思います。

 前回、自己修正の必須要素の二番目として「個々の仕事の影響が直に感じられること」を挙げ、またそれにはさらに「良い仕事とは何か共有する」、「仕事のフィードバックをリアルタイムに得る」、「それについてチームで話し合う」という3つのポイントが重要であることを話しました。

 次の6つの状況を考えてみましょう。①あるチームのパフォーマンスが下がった。外部からの介入なしにチームが自ら立ち直すにはどうしたらいいか?②業務の量がある特定のチームに偏ってしまっている③顧客が仕事の質や納期ペースに不満を抱いている④革新的なプロジェクトを進めているうちにどんどん成功の見通しが立たなくなってきた⑤次から次へと設定される会議が時間の無駄に感じる⑥人事や品質管理や監査などといったサポート業務に価値を感じられない。

一番目の例から考えましょう。一つの対処方法はデータを見ることです。Buurtzorgでは毎月チームの成果を定量化してランキングにし、全体に共有しています。またある一定水準を設け、それ以下を要注意パフォーマンスレベルとすることで、チームはどの水準にあるかを確認できます。10人~12人から成るチームが、それぞれの結果を基にパフォーマンスを話し合います。これは先に話した3つのポイントですね。そして、Buurtzorgにはコーチがいてチームのパフォーマンスをサポートします。

 二番目の状況を考えましょう。従来の組織ではこういった状況に柔軟性がありません。是正しようと思えば、時間もかかり複雑な手順を踏むことになります。自主経営の場合はどうでしょうか。フランスのFAVI社では自動車各社の製造ラインに立つチームが毎朝ミーティングを行い、その日の業務量に応じてチームのヘルプを募ります。日々変化する要求量にこのように会議コミュニケーションによって対応しています。ある病院でも看護師が3か月あるいは半年毎にミーティングをし各チームの業務量の変化を確認します。

 三番目の状況を考えましょう。これは特定のチームが顧客にあたるので構造の変化を伴います。先ほどのFAVI社は社員600名ほどの北フランスにある自動車製造会社で、ユニークな勤務体制を取っています。1993年に自主経営システムを取り入れる前は、人事が二週間おきに受注を基にマスタープランを作り、それに沿って社員が各勤務ユニットに配属されていました。そして勤務前日になると製造工程の詳細な確認をし、それそれ勤務にあたっていました。社員は言われた製造ラインに立って指示された勤務内容をこなすので、顧客や仕事の全体像はブラックボックス化されます。これでは製造ラインに立つ者には自分のアウトプットの影響は良くも悪くも感じられないわけです。そこでFAVI社は組織構造を根本的に変えて小さな工場の集まりのようにしました。営業担当もチームの一員となりました。チームは注文を受けて納期を話し合い、全員で納品にあたるのです。これによりFAVI社は30年近くも納期を遅らせたことはないそうです。組織構造を変えることによって、各チームがプライドを持って仕事にあたるようになりました。

 四つ目の状況を考えましょう。従来の組織ではアクションをとるのが難しい状況です。皆、懸念事項は報告しづらいために全てうまくいっているように進め、あるところでどうしようもなくなったりします。半年や一年経って介入し修正しようとしても遅すぎることがあります。何かおかしいと思った時にすぐに修正をすることが重要です。一つできることとして、簡単なことですが、プロジェクトが嫌になったら辞退するというルールを作ります。Valve社は世界的なコンピュータゲームの開発会社なので常時大きなプロジェクトが動いています。彼らはプロジェクトに不安を感じたらすぐにチームから抜けるように、というルールがあるので、僅かな暗雲も目に見えるようなります。特に救済措置があるわけでもないので、人が去ってしまうとプロジェクトは頓挫してしまうわけですが、本当に価値あるプロジェクトであれば誰かが声を上げ、またチームができ、別の形でプロジェクトが進んでいきます。私が調査した水力発電部品をつくる会社でも、同じようにして本当に価値があると感じるプロジェクトだけに取り組んでいるそうです。

 五つ目の無駄な会議についても同じことが言えます。意味のある会議に思えなければ出ていって構わないという風にすればいいと思います。その会議の中に意義のあるトピックが含まれていれば、それだけを対象にした会議を持てばいいでしょう。6つ目のケースでも、必要なサポート業務だけを続ける、と決めて話し合いながら内容を見直せばいいでしょう。不要なものは廃止されます。例えば機械の担当者が新しい任務を任されたとして、仕事のアウトプットを毎週定期的に発表します。これも会議の参加者の出席や態度でそれが需要のある仕事か判断できるでしょう。自分の担当するサポート業務が不要となれば、必要なサポート業務に切り替えればいいのです。大切なのは変化を感じ取って、それに速やかに対応するシステムをデザインし構築できるかというところです。

 

 

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