「ティール型にすることで規模の経済は失われるのか?」動画(4.1.20)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「ティール型にすることで規模の経済は失われるのか?(Synergies and economies of scale )」要約

ティール型にすることで規模の経済は失われるのか?

前回、サポート機能をチーム業務に組み入れる話をしました。人事や調達やメンテナンスといった仕事を本社ではなくチームが担うことは、オーナーシップの醸成にとって重要です。一方で、そのことが規模の経済やシナジーを喪失することに繋がりはしないか?という疑問が湧きます。それぞれが自分の役割を担うことになって、中心でそれをまとめるような機能がなければ、重複などの無駄が生まれ、経済効率が下がるのではないか?

 規模の経済という概念は、従来の組織に深く根づいています。「規模の経済」は算定しやすいものです。この機能を本部にまとめれば費用を20%抑えられ、効率も上がる、といった考え方をすることがよくあります。現実には、そのような算定された効率を得られることは滅多にありません。むしろ、結果的により高くついたり、業務スピードが落ちたりします。

 ある病院と話していて、政治的な理由からコストカットを避けられず、機能を集約することになったと聞きました。こういった機能の集約はたいてい費用の増加や質の低下を招くことがありまして、実際、後日聞いたところ、懸念していたことになっていました。このように、規模の経済は楽観的に計上され、またその結果被ったモチベーション低下の損失は考慮されません。

 セルフマネジメントでは個々が規模の経済やシナジーを追求するというのが原則です。もしチームが正しく機能していて、権限があり、自主的に仕事を遂行できる環境ができていたら積極的にそうするはずです。モーニングスターの例を本で挙げましたが、チーム間で自主的にやり取りして調達効率を高めています。

 こういったことは会社間でも行われます。ファッション関係の会社が14集まっているグループ企業があり、やり取りをしながら運営効率を高めています。それを、上が外部からそういった調整役を雇って効率をあげようとしてもうまくはいきません。チーム同士が話し合ってそのような調整役を雇うか決める必要があります。そうすることで実際にシナジーが起こる集約だけが実践されるはずです。FAVI社でもあるエンジニアがチーム間の調整役を担っていた例がありますが、彼の役割は実際に意味がある場合にのみ必要とされるわけです。

 モチベーションを低下させることなくシナジーを創出できる組織にすることが大切です。それにはチームの主体性が必須であり、そのためにはチームの高いオーナーシップと業務効率が見える化できていることが必要なのです。

 

 

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