ティール組織の始め方

「インテグラル理論の四象限で組織変容を捉える」動画(2.1-2.2)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「A new way to think about change」要約

変化に対する新しい考え方

今日は組織の再開発のための7つのステップをお話します。というのは冗談です。このような質問を良くされますが、7つのステップなどは存在しません。

FAVI社の前CEOにも多くの人が、どうやったのか?ステップを教えてほしい、というようなことを訪ねてくるそうです。彼は「demerdez-vous(自分でやってみたら)」と答えるそうです。

私はこの答えが好きです。計画はできませんし、これがあなたにとって重要なことであれば、自分でやり方を見つけ出せると思います。ただし、この動画では車輪の再発明をしなくて良いように、これまで積み上げられてきた知恵、そして他の人の成功や失敗から学ぶことが出来ます。

多くの人がステップバイステップを求めるのはなぜでしょうか?それは私たちが昔ながらの機械的な世界における変化に慣れているからです。ごとのガイドを求めるのでしょうか?それは、私達が機械的な世界観における変化の捉え方に慣れているからでしょう。すべてことは計画できるし、注意深く計画したほうがいい、そうすれば完ぺきに実行できる、と考えています。

これはもう機能しません。今回は特別に、「ティール組織」のイラスト版にこのことについて書いてあることを読み上げたいと思います。こうして自由に話すよりもわかりやすいからです。この旅をスタートする前、これまであなたの頭に内在するメンタルモデルを問いかけてみる必要があるでしょう。

本の中にこうあります。

”変化に対する考え方をアップデートする必要があります。絡み合った(complex)システムと複雑な(complicated)システムの間には違いがあります。

FAVI社ではこんなたとえが使われています。飛行機は複雑(complicated)なシステムです。飛行機には多くのパーツがあり、それが直線的なロジックに基づいています。ある部品をランダムに取り出したとき、優れたエンジニアならば、まだ飛行機が飛行可能かどうかを答えることが出来ます。

一方で、ボールに入ったスパゲティは絡み合った(compex)なシステムです。飛行機のパーツよりもはるかに少ないパーツしかありませんが、スパゲッティを一本引っ張ったらどうなるかは、世界で最も優れたコンピューターでも予測で来ません。

私たちを支配しているメンタルモデルは、組織は飛行機のように複雑な(complicated)システムであるという隠れた仮定から生まれています。この場合、分析と計画があれば、やりたいことが実現します。

しかし、組織はスパゲッティのような絡み合った(complex)なシステムなのです。だから様々な試みが失敗するのです。では、どうすれば組織を変えられるのでしょうか?それは最初のステップを慎重に選ぶこと。場合によっては次のステップも考えても良いかも知れません。

そして、組織の変化に耳を傾けることです。スパゲッティのたとえに戻ると、スパゲッティの束をほどきたかったら、まずいろんな角度から見てみて、最も良さそうな一本をひっぱります。そして、絡まってしまったら、別の角度から見て、違う一本を引っ張ります。

組織は複雑なシステムなので、たった一つの変化であっても、結果がどうなるかが予測できません。ですから、ひとつかふたつの取り組みを行うこと。

事前に計画することで安心感が生まれるかも知れませんが、それは幻想でしかありません。痛みの伴わない変化はありません。バランスが崩れたり混乱したりを繰り返します。

完ぺきなプランが必要だという人たちからの批判に耳を貸さないことが大切です。”

リーダーが出来ることは、組織を観察して、どこから始めるかを問うことです。そして最初のステップを取り、何が起こるかを観察し、次のステップを取ることです。

「2.2 Four quadrants – preferences and blind spots(四象限:インテグラル理論) 」要約

四象限:インテグラル理論

私達には傾向や盲点があります。この話をするために、アメリカの思想家、ケン・ウィルバーの四象限を引用したいと思います。組織で起こることすべては4つの観点から見ることが出来るというものです。

一つ目の視点は、外側から見ること。計測出来たり、観測できたりするものです。二つ目の視点は、内側から見ること。感情や考えなど、測定できないものです。

もう一つの軸は、個別の事象として見るか、集合体として見るかです。

これをFour Quadrants(四象限)と呼んでいます。

インテグラル理論 四象限
インテグラル理論 四象限

組織で起こることをそれぞれのレンズから見ることが出来ます。ほとんどの人は、どれかを重視する傾向があり、どれから盲点になってしまうことがあります。それを自覚して、他の視点からも物事を見ることが大切です。

コンサルタントやコーチは、この中のひとつの象限だけ扱う人もいます。企業文化の問題とか、報酬制度の話などです。しかし、実際には、すべてのことは、これら4つの側面を持っているので、どの視点から見ることも等しく重要なのです。

たとえば、CEOが信念として、成績優秀者は、お金だけで動機付けされる、と考えているとします。すると、そのCEOは、システムの側面だけから見て、報酬制度を作ったりします。一方で、そのことを「態度」の視点から見ると、他の人との競争を促すことになってしまいます。それも悪いことではなく、それによって、もっと働きたいと考える人もいるかも知れません。

いずれにしても、この4つはそれぞれ連動しているので、あなたがこの中で、いつも重視するものはあるのか?いつも盲点になるものはあるか?をぜひ考えてみてください。

例を挙げてみましょう。セルフマネジメントを始めてみたが、みんな遠慮してお互いに真摯なフィードバックが起こらないとします。そのときにどうしましょうか?

多くの人は、四象限の上に当てはまることをしようとします。トレーニングをして態度を変えたり、マインドセットを変えたり、といったものです。

またはフィードバックの文化を作るための経営チームが模範を示すとか、みんな仕事に責任を感じていないからシステムを変えようとか。

そのように、あなたのアイデアは四象限のどこかに当てはまると思います。自分の傾向や盲点がわかったら、組織内の他のリーダーたちとも共有し、話し合ってみてください。それぞれみんな違いがあると思います。私の場合、文化に盲点がありますので、そこに強い人がいたら一緒に取り組めます。

また、もしあなたにコーチがいるならその人にどんな傾向があるか?を見てみましょう。コーチが特定の分野に注目しすぎて、他のところを見落とさないように気をつけてましょう。

HolacracyOneのブライアン・ロバートソン氏は、システムに強い傾向があります。彼らはトレーニングをするときに内面を扱わないのです。

態度やシステムだけに注目していると、深い会話がなかなか起きなくなります。以上のように、この四象限を等しく扱えるかを考えてみましょう。

 

 

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