自主経営における楽しみと痛み

「管理を手放すことによる楽しみと苦しみ」動画(4.1.15)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「管理を手放すことによる楽しみと苦しみ(The joys and pain of giving up control)」要約

管理を手放すことによる楽しみと苦しみ

これまで話してきたように、セルフマネジメントに移行した組織のリーダーの役割は「組織を管理すること」、つまり「問題を防いだり対処すること」から「自己修正できる組織に持っていくこと」に変わります。言い方を変えれば、リーダーにあったコントロールする権限は組織そのものへ移行し、組織が自ら機能する仕組みに変えることです。リーダーたちはこれをどう感じているでしょうか?彼らにとって、この大きな変化は苦痛を伴います。ラッキーなことにこれは一時的で最初だけにくるものですが、残念なことにその痛みはしばらく続き、楽しみが訪れるまでにはしばらく時間がかかります。

 苦痛には二タイプあって、一つはエゴからくる苦しみです。人や事態を管理できる特権は染みついたもので、できれば手放したくないものです。事態を収拾したヒーロー的な感覚は気分の良いものです。それが、新しいシステムでは自分だけでなく他の者もこういう立場に立つのですから、自分の存在が危ぶまれた気になります。覚えていて欲しいのは、リーダーは変わらずイニシアティブを取れる存在であって、それは介入する役ではなく、システムが解決するための手助けをする役になるということです。

 二つ目の痛みはいわゆる錯覚的な痛み(phantom pain)です。リーダーにとってこれまで決断を下すのは容易いことでしたが、新しいシステムではアドバイスプロセスといった違うやり方があるので慣れるのに苦労を要します。新しいやり方が依然と同じように有効であると実感できるまでには時間がかかるわけです。しかしその苦労のあとには大きな喜びが待っています。あなたは自分の肩の荷が下りたことと、組織が自然と機能していることに大きな安堵感と喜びを感じるでしょう。いろいろなリーダーが嬉しそうに「二ヶ月も職場を離れたのに誰からも電話もなく、戻ってみたら全て滞りなく物事が進んでいました」と私に話してくれました。

 組織のリーダーと話していて面白いことに気づいたのですが、リーダーたちは何もコントロールしたいエゴだけで新しいやり方を躊躇していたわけではなく、直感的に自分の介入をここで止めるのは危険だと感じていたのです。とある組織と話した時も、彼らはヒエラルキー的なやり方を止めて構造を変える必要があったが、トップはそれに踏み切れなかった。トップの者と話したところ、「まだ自分の管理下においておかないと組織が機能せず危険だと判断している」ということでした。実際、大きな移行を実施するにはそれができる状態になっている必要があり、それを見計らいながら移行する必要があるでしょう。

 リーダーが管理する権力を手放すことを躊躇する時、それがどういった理由からくる感情なのか、自己分析したり、信頼できる人に相談したりしながらよく考えてみることをお勧めします。エゴかもしれないし、新しいプロセスに移行することによる学びの痛みかもしれないし、あるいはどこか危険を察知してことからくる不安感なのかもしれません。そしてその痛みのあとには喜びや安堵が訪れることも忘れないでください。

 

 

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