「自主経営化の途上に経験する二種類の苦痛について」動画(4.1.22)の要約

「ティール組織」著者、フレデリック・ラルー氏の動画シリーズを要約しています。あくまで要約であり、すべての文言を正確に表現しているわけではございませんのでご了承ください。動画の翻訳については、ラルー氏のHPより「No more permission needed :)(許可必要なし)」とありますので、もし翻訳に協力したい方がいらっしゃれば、以下の動画の「設定」⇒「字幕」⇒「字幕を追加」で追加することが出来ます。

「自主経営化の途上に経験する二種類の苦痛について( Two types of pain along the journey)」要約

自主経営化の途上に経験する二種類の苦痛について

自主経営への移行は権利の公平な分配など好ましいものであるため、始めるにあたって苦痛に関してあまり考えを巡らせることはないかもしれません。先日、友人と話していて「痛みなくしてセルフマネジメント化はあり得ない、と学んだ」と彼が言いましたが、その通りだと思います。

 痛みには二つあって区別するべきだと思います。友人が意味したのはいわゆる「成長に伴う痛み」です。組織がより良いものへ変化する際に生じる苦労です。例を挙げると、従来では従業員、特にピラミッドの底辺の者は多くの場合、ひどい扱われ方をされているので、「出しゃばらない方がいい」という考えになっていて、言われることを黙ってやり、気に入らない点は他人のせいにするというスタイルが身についています。それぞれに力を持って仕事にあたってもらうようになるまでには深遠なる道のりがあって、最終的にはその苦労が報われるわけですが、とにかく私たちが想定する以上に大変なことです。

ある人にとってはマネジメントするようなことは初めての経験で、またこれまで育ってきた環境からするとあり得ない変化であり、自分のアイデンティティにも影響してきます。また自主経営という考え方自体が目新しすぎてオロオロする人もいるでしょう。そういう人たちが変化に心地よく順応していけるような場を作り上げていくのはとても大切なことです。

一つのやり方としては、それぞれに抱える変化への苦労を打ち明けることです。コーチなどがうまく導いてくれるでしょうが、困惑している人たちが自分からコーチを頼ってくることはあまりないわけで、別のやり方としては、グループでよく話し合うことです。以前は管理的な立場にあった者も交えてみなで話し合うことで、変化に順応するのに苦労しているのは自分だけではないことに安堵したり、また変化を受け入れ始めてうまくやっているような人から学ぶことも大いにあるでしょう。このように、成長の苦労を軽減するのに自分にできることは何か?考えることをおすすめします。

 もう一つの痛みは、「避けられる痛み」です。他にいい言い方が思いつきませんでした。それは、移行プロセスをもっとうまくやれば経験せずにすむ苦労ということです。もちろん、どんな移行プロセスも完璧ではないので、避けられる苦労であっても避けられないことは多々あります。それらを予期できるかできないかということでなく、何か思いがけない苦労が生じた場合にどうそれに素早く対処するか、ということが大切です。簡単な例として、これまであった組織の細かな規則を不要なものを見直して新しいルールを設定していく中で、新しいルールが全体に明確に理解されていないような状況が挙げられます。新しいやり方を導入する前に入念にそれを理解してもらうことで混乱は防ぐことができます。

 他には、例えば組織変化を早く進めすぎたり逆に遅すぎたりすることによる苦労があります。新しいものを早く導入しすぎて社員が追いつけなかったり、あるいは慎重になりすぎて、やり方が変わることは皆わかっているが、いつまで経っても具体的なタイムラインが見えてこないために落ち着かない、といったことです。これらはうまくやれば避けられる問題です。

 今回伝えたいポイントは、組織を変化していくにあたって経験している苦労が成長するが故のものなのか、それとも避けられる問題なのかを見極めて欲しいということです。成長痛であれば、それを減らすためにできることはないか話し合うといいでしょう。避けられる苦労については、問題が生じたら即座に自己修正するよう行動しましょう。もっと深いことを言えば、生じる痛みを受け止め、何ができるかを考えることです。誰でも苦労は嫌で、できれば避けたいものですが、そうやって見ないふりをしているうちに痛みは増えていきます。リーダーの立場にあった者として、変化の途上に見えてくる「苦労」をどう捉えて対処していきますか?あなた自身の力量が試されている時でもあります。必要であれば、外部のコーチなどに相談するのもいいでしょう。

 

 

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